公式サイトによると、Laravel12のリリースが2025年2月24日ということです。
Laravel12だけではなく、最近行われた変更や、近々リリースされる新機能をまとめてご紹介しますね。
Laravelがどうなるか気になる方は、この先を読んでください。
本記事の参照元
本記事は、1週間ほど前に開催されたLaracon(Laravelのイベント)で話された内容をベースにしています。中でも、Laravelの創始者Taylor氏の講演内容をメインに作成しました。
Laraconを直接見たいと思ったら、下記Youtubeをご確認ください。
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長いので、気になるところだけのぞき見するのをおすすめします。
記事では「これは大事そう」と思うところをピックアップして、分かりやすく解説していきます。内容の重要度はわたしの個人的な判断に基づき、星★の数で示しています。星が多いほど優先度が高く、星3つが最も重要だと感じた項目です。
php.newによる開発環境構築 ★
php.new は、Mac、Windows、Linux で、コマンドを実行するだけで PHPの環境構築を手早く行えるツールです。また後日確認したいと思います。サイトはこちら。
早速試して、記事を書いてみました。ご興味あれば見てみてください。
Inertia(イナーシャ) の買収 ★
Inertiaはオープンソースプロジェクトとして始まりましたが、最近Laravelによって公式に買収されました。これにより、Laravelのチームが開発を支援し、今後も改良が続けられます。コードは引き続き無料で利用できます。
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イナーシャについては、下記記事でご紹介しています。こちらは、サーバーサイド(フロントエンド)とクライアントサイド(バックエンド)をつなぐためのツールです。
Livewire専用UIコンポーネントライブラリ:Flux ★★
Fluxは、Tailwind CSSを基盤にした、新しいLivewire専用UIコンポーネントライブラリです。
Livewireのリアクティブ機能と組み合わせて、直感的かつ効率的にアプリケーションのデザインを構築できます。
統一感のある洗練されたUIを短時間で実装できるため、開発効率の向上に大きく貢献します。
Laravel公式のvs code 拡張機能 ★★
まだβ版とのことですが、Laravel公式のVS code拡張機能が使えるとのことです。次のような機能が搭載されています。こちらはまた、別途記事を書こうかなとも思います。
ご興味あれば、試してみてください。
公式ページの説明はこちら。
Laravelサイトデザインのリニューアル ★
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Laraconの講演中に表示された新しいLaravelサイトの画面
今までのところは既に、β版等のリリースが終えている部分になります。ここから先は、現在搭載中の機能をご紹介します。
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講演では、搭載中を『cooking中』と表現されていました。今まさに、新機能をお料理してくれているんですね。
最初に説明されたのが、Laravel公式サイトのリニューアル。これは正直、開発する側にはあまり関係なさそうです。
ただ、講演中に見せてくれたサイトを見てみると、なかなか分かりやすくて良い感じです。マーケティング的にも良い効果がありそうですね。
Laravel12.0のリリース ★
Laravel12は、2025年2月24日にリリース予定とのことですが、大きな変更はないとのことです。
他に色々と大きなプロジェクトが動いているため、Laravel12にそこまで手をかけなかったのかもしれません。
Laravel12というよりも、同時期にリリースされる新機能・新サービスの影響力が大きいと感じます。
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すべてひっくるめて「Laravel12」と考えたほうが良さそうだと思いました。
Laravelアプリケーションを監視できるツール:Nightwatch ★
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Laraconの講演中に表示されたNightwatchの画面
Laravel Nightwatchは、本番稼働中のLaravelアプリケーションをリアルタイムで監視できるホスティング型のアプリケーション監視サービスです。パフォーマンス監視とエラー検知を主目的としています。
似たようなサービスで、Telescopeというのがありました。こちらは開発環境でのデバッグやクエリ解析に適しています。
Nightwatchの価格等詳細はまだ公式ページには書かれていません。
新しいスターターキット(starter kit)の登場 ★★★
個人的には、これが一番インパクトあると感じました。Laravelのスターターキットとしては、これまではBreezeが一般的でした。ほか、Jetstreamも使われていました。
ですが、Laravelを始めるプロセスを簡素化するために、スターターキットを一つに統合するとのことです。インストール時に、「空のLaravelアプリとして始める」か、React、Vue、あるいはLivewireのいずれかのスタックを選択してセットアップするかを選べるようになります。
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新しいスターターキット選択画面
試しに開発版で使ってみようと思いましたが、現在のところ、まだ新しいスターターキットは選択できませんでした。また検証できたら、記事に反映しようと思います。
公式記事はこちら。
Laravel Cloud ★★★
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Laravel Cloud
おそらく、このLaravel Cloudが今一番、力が入ったプロジェクトなのではと思われます。Taylor氏の講演の中でも、最も長く語られていました。
Laravel Cloudは、Laravel専用のデプロイできる環境といえます。
コマンド操作なしにUIで実行できる部分が多く、初心者でも利用しやすいホスティングサービスです。
データベースは現在のところ、PostgreSQLがサポートされています。今後MySQLもサポートされるかもしれません。
アクティブでない時は、休止状態(Hibernate)にすることで、無駄なコストを抑えられます。休止後の起動も早いとのこと。また、AutoScaling機能を備えています。
プランは3つあり、最も手ごろなサンドボックスプランでは、基本料金は0円ですが、使った分だけ課金されるとのことです。公式ページはこちら。
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まだリリース前なので、情報は少なめです。気になったら、『Join Waitlist』に登録すると、最新情報を受け取れるようです。
Taylor氏の言葉
最後に講演で語られたTaylor氏の言葉をご紹介します。
Taylor氏によると、Laravelとなるものの最初のコードを書いてから15年がすぎたとのこと。
2011年夏にGitHubに公開することを決めたとのことですが、公開初日にもらった星の数は4個だけだったそうです。
ですが今や、Laravelは世界中で使われ、ユーザーは増え続けています。
講演が行われた時点で、Composerによる1日のインストール数は30万に達したそうです。これは、昨年の同時期と比べると30%増加しているとのこと。
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すごい成長ぶりですが、ここに至るまでに、きっと色々なご苦労があったと思います。
またLaravelはこれまでも変化を遂げてきましたが、ここからはさらに、これまでのLaravelから、新しいLaravelになるとのことでした。
以前の記事でもご紹介しましたが、Laravelは、2024年9月5日にAccel社から$57Mドルの資金調達を受けました。これによって、今回のような新たな開発が可能になったと考えられます。
さいごに・個人的感想
以上、Laravel12の新機能といいますか、Laravel12も含んだ新サービス、新機能についてご紹介しました。
まとめますと下記については、2025年2月24日にリリース予定とのことです。前半でご紹介した項目は、β版だったりするものの、既に利用可能です。
- laravel.com(新しいサイト)
- laravel cloud
- starter kits
- laravel12
力が入ったLaravel Cloudプロジェクトは、リリースが楽しみですね。
なお変更点としては、スターターキットの変更の影響が大きい気がします。最近はReactやVueなどのJavaScriptフレームワークが圧倒的な存在感を示しており、Laravelとしてもこの動きにあわせていると感じました。
ReactやVueを使える方には嬉しい動きだと思いますが、いちから覚えなくては、という場合はちょっと大変ですよね。そういった場合には、Laravel Livewireがおすすめです。PHPコード中心で動的なUIを構築できるため、JavaScriptフレームワークを覚えずに済みます。
Livewireについてご紹介した記事もあるので、ご興味あれば合わせて目を通してくださいね。
なおLaravel Breezeを新規で入れたい時はどうするのか等、はっきり分からない部分はあります。引き続き新しい動きがあれば、記事を更新していきたいと思います
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