ドワンゴ創業者でニコニコ動画を育てた川上 量生(かわかみのぶお)さんの「ルールを変える思考法」、読み応えのある本です!
起業したい人、コンテンツ作る人、Webアプリを広めたい人などにおすすめです。
わたしはWebエンジニアで、起業しており、ご覧のとおりブログも運営しております。その目線から、本書のなかで感銘を受けた部分を3つ、ご紹介しますね。
①簡単に成果がでるビジネスを始めるのはキケン
ひとつめは、ビジネスを始めるときのこと。
ビジネスではスタートの時点から少しいった先で、そのあとうまくいくかどうかの分岐点があります。グラフにすると、こんな感じです。
最初からうまくいくビジネスは、この【少し先】ゾーンで苦労する確率大。
というのも、もしそんなに簡単にうまくいくビジネスなら、すぐライバルが大量にはいってきて、競争が激しくなるためです。
あるいは自分が知らないだけで、面倒な障壁があったりするかもしれません。
こういったことを考えると、スタートする時点では「ハードル高いなぁ」と感じるぐらいのほうが良い。 つまり、競合がやりたがらないぐらいのものが良い。
このあたり、本当にそのとおりだと思います。
ハードルが低すぎて、すぐうまくいくものは長続きしません。
わたしの小さな例でお恥ずかしいですが、わたしは、かなり初期の段階からWebサイトを作っていました。
当時はWordpressもなく、Webサイトを作る人が少なかったため、わたしのサイトはビッグキーワードで検索1位になり、アドセンス収入が月に10万円になったりしました。
Weサイトってすごい!!
と有頂天になったわたしは、「今後何が起こるか」深く考えませんでした。
まもなく競合が流れ込んできまして、サイトはどんどん順位を落としていきました。
がーん
ガックリしたわたしは、サイト運営を続ける気をなくしました。
ですが、ちゃんとシナリオを描いてビジネスを始める人にとっては、これって、当然の展開なのですよね^^;
もし当時のわたしに少しでも川上さんのような知見があれば、競合が増えた時のことも考えて、Webサイトを作成していたでしょう。
すると、その後の人生も、もう少し違った展開になっていたかもしれません。
②コンテンツはわかりそうでわからないものが強い!
コンテンツについて、川上さん曰く、
「人間はわかりそうでわからないことが気になって興味をもつ」という本能を進化の過程で獲得したんじゃないか、それがコンテンツに興味をもつ源泉じゃないか。
参考:川上 著(2013)「ルールを変える思考法」角川EPUB選書
と書かれています。
人間、わかるものは興味湧きませんし、難しすぎて理解できないものも、近づきたくない。
つまり、わかりそうでわからない。どこか引っかかる。うまく説明できない。
こんなコンテンツが強い。
一流のコンテンツはこのあたりをおさえて作られているようで、たとえば、「崖の上のポニョ」の特典映像では、宮崎駿監督が、わざと「いびつ」に曲線を描くように指示したそうです。
そうすることで、「なんだか引っかかる」ものに仕上げて、人を惹きつける。
さすが、ジブリですよね。
わたしにはとても、このコンテンツ戦略を使って、何かを作ったりはできません^^;
ただコンテンツを見る側であっても、この考え方を知っておくとコンテンツ楽しみ方が広がるな、と感じます。
色合いや線が引っかかるものを見たら、「お、狙ってるかも」なんて思うようになりました。
③プラットフォーム側ばかりが得するビジネスが変わる
今は、ネット上ではプラットフォーム側が有利な時代です。
Googleだったり、Facebookだったり、プラットフォーム側がコンテンツを所有していて、クリエイター側に利益が還元されていない。
つまり、コンテンツ業界からの搾取が起こっている。
こういった流れの中で、ニコニコ動画はコンテンツホルダー側にたったプラットフォームを「ブロマガ」を作ったと書かれています。
残念ながら、このプラットフォームは2013年にリリースしましたが、2021年10月にサービスを終了しています。こちらに、サービス終了のアナウンスがでています。
サービス終了の詳細は分かりません。
普通に継続が難しかったのだと思いますが、ただ、少し時期が早かったのでは、とも感じます。
というのも、プラットフォームの束縛から離れる流れはWeb3.0として、ここからまさに進んでいくと予想されるからです。
もしかしたら今後、また同じようなサービスが、パワーアップして再開するかもしれませんね。
川上さんの先見の明がうかがえる部分だと感じたので、最後の3つめに取り上げました。
さいごに
川上 量生(かわかみのぶお)さんの「ルールを変える思考法」、ご紹介しました。
本記事では3点だけお伝えしましたが、もし「面白そう」と思ったら、ぜひ、一冊丸ごと味わってみてくださいね。
なお、本書はAmazonのKindle unlimitedに加入していれば、無料で読めます。
記事には入り切りませんでしたが、本の中には、今後の人類についてや、ゲーム関係やニコニコ動画の超会議イベントの裏側なども書かれてます。
わたしはニコニコ動画は見ませんし、ゲームも最近しないのですが、本を読んだ後、「ちょっとゲームしてみようかなぁ」なんて思いました。