Brave(ブレイブ)はうざったい広告が表示されないプライバシー重視のブラウザ。
急ピッチでユーザーを増やしています。
このまま広告なしのブラウザが広がると、今のアフィリエイトビジネスはオワコン化する可能性も。
今後の状況を見据えて、解説していきます。
Braveブラウザとは
Braveの生みの親は、Javascriptという言語とMozilla Firefoxを作ったBrendan Eich氏。
これを聞いただけでタダ者じゃない感があるブラウザですよね。
会社設立後、2016年に最初のエディションがリリースされました。
セキュリティとプライバシーを重視した設計で広告をブロック。
広告に追いかけられる日々にウンザリしたユーザーの心をわしづかみにしました。
既存ブラウザの設定をインポートできたりと、乗り換えに便利な機能もバッチリ。
ユーザー数が着々と増えていきました。
2020年4月初めの時点で月々のアクティブユーザー数はおよそ1350万人。*
*参考元:Forbes
現在のところ、毎月150万人ずつユーザーが増える勢いで広まっています。
Brave browser adds 1.5 million monthly actively users in April and May https://t.co/n8gvWetyBo via @YahooFinance
— Brave Software (@brave) June 2, 2020
Braveブラウザは、4月、5月と毎月150万人の新規ユーザーを獲得しました。
(2020年6月2日のBrave Software Tweetより)
Braveブラウザの広告の仕組み
Braveが画期的なのは、これまでの「インターネット広告」の在り方を大きく変えている点です。
詳しく解説していきますね。
既存のオンライン広告の問題点
一度見たサイトの広告がずっとつきまとってきてウンザリ…経験はありませんか?
インターネットを使う人なら、誰でも一度は感じたことがあると思います。
これは「ターゲティング広告」といって、わたしたちの行動をもとに広告が配信される仕組みです。
【ターゲティング広告とは】
広告の対象となる顧客の行動履歴を元に、顧客の興味関心を推測し、ターゲットを絞ってインターネット広告配信を行う手法。追跡型広告やリターゲティング広告とも呼ばれる。
*Wikipedia 行動ターゲティング広告
たとえば、あるサイトで洗濯機を見ていたとします。
このとき気づかぬうちに、この洗濯機のサイトから目印(Cookie)をつけられます。
このサイトを閉じて他のサイトに移っても、この目印はわたしたちのブラウザにくっついたまま。
そのため他のサイト上でも、先ほどの洗濯機の広告が流れてきます。
元々この洗濯機に興味があったのだから、何度も広告を見ていたら購入する可能性が高いですよね。
リターゲティング広告はこのように「元々興味がある人」を追いかけられるので、効率的に収益を上げられます。
ただ、わたしたちの感情はそんなに単純じゃありません。
広告の精度が高くなるにつれ「プライバシーが侵害されている」「監視されているみたい」と感じるユーザーが増えています。
広告がくっついてくるなんて、やだにゃ
良い仕組みだなとは思うけど、やっぱりウザったいよね…
Braveブラウザの広告の仕組み
Braveブラウザは、こんなふうに広告につかれた人たちを救うブラウザと言えます。
個人情報を勝手に収集するトラッカーをブロックする仕組みをもっているため、広告が表示されない。
非常に快適なネット環境を実現できます。
ただそうなると、広告を収入源にがんばっているクリエイターたちも困ってしまいます。
そうならないようBraveには「Brave Rewards」という「オプション制広告」制度が存在します。
ユーザーがオプションを「オン」にしておくと広告が表示されるという仕組み。
発生した広告収入は広告主・サイト運営者に渡るとともに、なんとユーザーにも還元されます。
え?広告を表示させるとお金がもらえるの!?
BATポイントという形でね。
今のところ日本では、広告を見たことで得られる収入はBATポイントという形で得られます。
換金はできませんが、お気に入りのクリエイターにポイントを送信して応援できます。
また決済に使えるようなパートナーも開拓中とのこと。
これまでの広告ビジネスとは全くことなる、まさに次世代型広告モデルですね。
Braveは表示速度も速い
Braveの良い点はもうひとつあります。
ページの読み込み速度がとても早いのです。
なぜかというと、広告を表示させないため。
通常は広告を表示させるためにJavascriptが必要になり、サイトの表示速度が遅くなっています。
これらをすべて取っ払うことで、読み込み速度もアップするのです。
公式サイトによればChromeやサファリと比較して2~8倍速くなるとのこと。
* 参考元:Brave公式サイト
わたしも使っていますが、たしかにChromeより表示速度が早いのを体感しています。
広告がないといいことづくめだにゃ。
ただブロガーには、むずかしいところも。
Braveブラウザでアフィリエイトはオワコン化する?
画期的なBraveブラウザですが、こういったブラウザが主流になるとアフィリエイトビジネスが成立しなくなる可能性があります。
なぜなら、広告を見る人が減っていくからです。
ちなみに広告が埋め込まれたページはBrave上でどのように表示されるか。
わたしの前回記事を使ってテストしてみたところ、次のように広告部分が空欄になりました。
【Google Cromeで見た状態】
【Braveで見た状態】
広告消えたにゃ!!!
広告収入も消えるってことね。
なおヨメレバのアフィリエイトリンクや文中のテキスト広告は表示されます。
記事に自然に埋め込まれた広告は邪魔にならないので、OKなのかもしれません。
ただバナー広告やアドセンスは非表示になります。
たしかにユーザーが広告設定をオンにすれば、Braveでも広告収入は発生すでしょう。
ですが多くのユーザーはそんな手間をかけるより、常に広告なしの環境を選びますよね?
すると広告収入は激減し、「アフィリエイト」というビジネスモデルが衰退していくかもしれません。
少なくともアドセンス頼みのアフィリは生存がキビシイ。
もちろんその時には、別の形の広告ビジネスができるかもしれません。
あるいは、アフィリエイトではなく直接物や情報を売るのが主流になるかも。
いずれにせよ、今後の状況に目を見張っておく必要がありますね。
Braveブラウザの悪いニュース
Braveのスゴイ部分を強調しましたが、ただBraveブラウザはまだ発展途上と思えるフシがあります。
先日も、こんなニュースが出ていました。
Braveは仮想通貨取引所として人気の高いBinanceのURLを、同社が収入を得られる別バージョンのURLに、ユーザーの同意を得ることなくリダイレクトしていた。
(2020年6月9日Yahooニュースより)
*参考元:Yahooニュース
どうやらユーザーの許可なく勝手にURLを書き換えて、それによってBraveがアフィリエイト報酬を得ていたということです。
おいおい、って感じですがね。
CEOのBrendan Eich氏は「わざとじゃない。マチガイだったm(__)m」と釈明。
とりあえず問題の機能はオプションで無効にできるようですが、今後はデフォルトで無効になるようにするとのこと。
これに対して
うそだっ!
わざとだ!
と主張する人もいますが、真偽のほどは分かりません。
そんなこんなで躍進を続けるように見えるBraveですが、まだまだ試行錯誤中の様子も垣間見れます。
アフィリエイトビジネスに影響が出るにしても、もうちょっと先のことでしょう。
まとめ
- Braveは広告非表示が可能なブラウザ
- 2020年4月9日時点でのユーザー数は1350万人
- 主流になるとアフィリエイトビジネスが変わる可能性がある
「Braveってどんなだろう」と思ったら、試してみてください。
まだまだ改善点はありそうですし、Googleのユーザー数には遠く及びません。
ですが変化が速いネット業界では、気づいた時には手遅れになることも。
そうならないよう、新たなテクノロジーには目を見張っておく必要がありますね。