Laravel SailをWindowsにインストールする手順を分かりやすく解説していきます。
Laravel Sailによって、Dockerを使った開発環境を構築できます。
Dockerは、Linux環境で動きます。WindowsでLinux環境を使うには、Windowsが用意しているWSLか、あるいはVirtualBoxなどの仮想環境を用意する必要があります。
今回はLaravelの公式マニュアルにも掲載されているWSLを使う方法を説明していきます。
最後にLaravelプロジェクトを作成して、Laravelのトップページを表示させるところまで進めていきます。

つまづきやすい部分がいくつかあります。エラー対策も入れつつ、解説していきますね。挫折なく、インストールを進めていきましょう♪
※記事はWindows10とWindows11を使って検証した結果を記載しています。
動画編はこちら↓↓↓
エラー対策は、下記記事にまとめています。途中で困ったら、該当する項目がないかチェックしてくださいね。
https://biz.addisteria.com/laravel-sail-install-errors/
Laravel SailをWindowsにインストールする手順を分かりやすく解説
最初にWSLの最新版であるWSL2を入れ、そのあとUbuntuをインストールします。その後、Dockerを入れていきましょう。
①WSL2のインストール方法
まずはWSL2のインストールから進めていきましょう。
WSLとは、Windows Subsystem for Linuxの頭文字をとったもの。Windows上でLinux環境を実行するためにインストールします。
WSLを入れるには、Windows 10 バージョン 2004 以降 (ビルド 19041 以降) または Windows 11 を実行している必要があります。
詳細は下記公式ページをご確認ください。
インストール方法は下記のとおりです。
1.既にインストールされているかチェック
【Windows機能の有効化または無効化】を開き、【Linux用Windowsサブシステム】と【仮想マシンプラットフォーム】にチェックが入っていないことを確認します。チェックが入っていれば、既にインストール済みとなります。
チェックが入っていなければ、②へ進んでください。
【Windows機能の有効化または無効化】を開く方法が分からない時は、下記手順を踏んでください。
Windows機能の有効化または無効化の開き方
1.スタートメニュー/コントロールパネルをクリック。そこから左下のプログラムを選択。
2.プログラムと機能を選択
3. 左側の Windowsの機能の有効化または無効化を選択
2.Windows PowerShellを起動する
【Windows機能の有効化または無効化】を確認後、は、Windows PowerShellを起動します。
スクリーン左下のスタートメニュー/Windows PowerShellから起動します。
この時メニューを右クリックして「管理者として実行する」を選択します。
スクリーン下でアイコンが点滅するので、クリックします。
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と出てくるので、はいを選択して先に進みます。
3.wsl インストールコマンドを実行
PowerShell上で、下記コマンドを実行して wslをインストールします。
1 |
wsl --install |
インストール後、「システムを再起動する必要があります」と出たら、PCを再起動してください。
4.Ubuntuの設定
再起動後、Ubuntuのユーザー名を入れる画面が出てきます。
ユーザー名を入れた後、Enterキーを押します。その後パスワード入れます。Enterキーを押した後、確認用パスワードを入れていきましょう。
「Installation Successful!」と出ます。その後、再び再起動します。
② Ubuntuのインストール
前述したとおり、WSL2を入れると、Ubuntuも一緒に入ってきます。ただ、もし再起動後にUbuntu画面が表示されず、Ubuntuがインストールされていない場合には、下記手順を行って、MicrosoftストアからUbuntuを入手していきましょう。
既にUbuntuが入っている場合は、次の ③ Dockerのインストール へ進んでください。
1.Microsoft ストアを開く
Microsoftストアを開くには、スクリーン左下の検索で【Microsoft Store】といれます。
2.Ubuntuを入手
Microsoftストアの検索語句で 「Ubuntu」を入れます。Ubuntuが表示されたら、入手ボタンをクリックします。
すると、ボタンが開くボタンに変わります。
3.ユーザー名とパスワードの登録
別画面が立ち上がり、しばらくすると【Enter new UNIX username】と出てきます。
ユーザー名をいれます。そのあとパスワードをいれるように出てくるので、パスワードも設定します。パスワードは確認用に、2回入れる必要があります。
③ Dockerのインストール
次にDockerのインストールです。
1.EXEファイルのダウンロード
下記から【Docker for Windows】ボタンをクリックし、インストール用ファイルをダウンロードします。
2. Dockerのインストール
ダウンロードしたファイルをダブルクリックして、インストールを進めていきます。
もし下記画面になった場合は、「Use WSL 2 instead of Hyper-V」にチェックが入った状態で、インストールを進めてください。
インストールが終わると、【Close and log out】ボタンが表示されます。
ボタンをクリックすると、PCが再起動します。
3. 利用規約を承認
再度ログインします。すると、Dockerの利用規約に関するお知らせが表示されます。

なかなか かわいい画面ですよね。
右下のAcceptボタンをクリックします。
チュートリアル開始画面になりますが、とりあえず【Skip Tutorial】をクリックしておきましょう。
4. 設定変更
右上の歯車マークを押し、設定メニューを開きます。
まず Generalメニューをクリックします。Use the WSL2 based engine にチェックが入っていることを確認します。
次に 【Resources】をクリックします。すると下にメニューが表示されます。その中の【WSL Integration】をクリックします。 下記のようにバーを右側に引いて、Ubuntuを有効にします。
右下の Apply &Restartボタンを押します。
5. 無事にインストールできたかチェック
次にWindows PowerShellに戻ります。下記コマンドを入れます。
1 |
wsl --list --verbose |
これによって、使用可能な Linux ディストリビューションが一覧で出てきます。
無事にUbuntuとDockerが入っていれば、下記のように表示されます。
もし上記のように入っていない場合の対策をお伝えします。
エラー対策① WSLのVERSIONが1になっている場合
VERSIONが1となっていたら、WSL2ではなく、WSL1という以前のバージョンが入っている可能性があります。下記では、ubuntuが1となっています。
下記コマンドを実行して、バージョンを2にしておきます。
1 |
wsl --set-version ubuntu 2 |
実行後、再度 wsl –list –verbose を実行してバージョンが変わっているか確認しておきましょう。
エラー対策② WSLのSTATEがSTOPPEDになっている場合
STATEがStoppedになっている場合には、起動していない可能性があります。
DockerがStoppedの場合には、本記事で解説したとおり、 設定/WSL IntegrationメニューでUbuntuを有効にしてあるかチェックしてみてください。
④ Laravelプロジェクトの作成
それではいよいよ、Laravelのプロジェクト作成にはいっていきます。
1.プロジェクト作成
Ubuntuを起動して、下記コマンドを実行します。
1 |
curl -s https://laravel.build/test-app | bash |
すると、下記のようにLaravelインストール画面となります。

初回は、かなり時間がかかりました。
なので画面を見るのをやめて放置していたら、終わっていました。
2回目以降は、早くなります。
エラー対策① Docker is not runningと言われた時
Dockerを起動しているのに、プロジェクト作成時に ” Docker is not running “と出たら、”exit” を入力して、Ubuntuを閉じます。
その後、再度Ubuntuを立ち上げます。最初に su ユーザー名入力してユーザーを切り替えます。
1 |
su ユーザー名 |
パスワード入力を求められるので、パスワードを入れます。
無事ユーザーが切り替わったら、再度プロジェクト作成コマンドを入れてみましょう。
1 |
sudo curl -s https://laravel.build/test-app | bash |
エラー対策② プロジェクト作成コマンドを入れても無反応
この場合は、通信ができていない可能性があります。別記事で対策を解説しているので、見てください。
2. Laravel Sail起動
プロジェクト作成後、次のような画面がでてきます。
指示に従って、コマンドを入れていきます。
1 |
cd test-app && ./vendor/bin/sail up -d |

今作ったtest-appプロジェクトに移動して、さらにsailを立ち上げるという意味です。やや時間がかかります。
次にブラウザに http://localhost/ をいれます。
画面を表示するとLaravelのトップ画面が出てきます。

じゃじゃん。
ついにLaravel画面がみれました♪
3.Sailをとめるとき
作業をやめたい時は、 cd test-app && ./vendor/bin/sail up -d を行ったUbuntu上で、下記を実行します。
1 |
./vendor/bin/sail stop |
もしnpm run devを行っている場合には、Ctrl+Cを押し、Laravel Viteを止めます。
Dockerは画面右下の通知領域から【Quit Docker Desktop】を選びます。

作業開始時はこの逆を実施します。つまり、Docker立ち上げ→Laravel Sail立ち上げ→npm run dev実施ですね。
BASHエイリアスを作ってSailコマンドの入力をラクにする
Laravelでは、通常コマンドを入力する場合には “php artisan” を最初に入れます。
ですがLaravel Sailの場合には、”./vendor/bin/sail”と入れていきます。これは、プロジェクトの中の /vendor/bin/sailを実行しているためです。
ただ、毎回 “./vendor/bin/sail”といれるのは、結構面倒ですよね。
そこで設定を変え、“sail”と入れるだけでコマンドが実行できるようにしましょう。
仮想空間のホームディレクトリに移動します。

.bashrcは隠しファイルです。表示されない場合は、隠しファイルが表示される設定にしておきましょう。
.bashrcファイルを開き、下記を末尾に1行追加します。
1 |
alias sail="./vendor/bin/sail" |
これでOKです。変更を反映させるために、下記を実行します。
1 |
source ~/.bashrc |
ここから先の記事では、コマンドの最初は “./vendor/bin/sail” ではなく、”sail” と入れていきますね。
さいごに
今回はLaravelトップページを表示するところまでとします。
次回は、phpMyAdminを進めます。さらにその先、Breezeパッケージのインストールといった部分を進めていきます。
下記のようなユーザー登録画面や、ログイン画面までつけていきましょう♪
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