Laravelを使うための環境構築について解説します。
最初はインストールするものも多いので、すごくスムーズに進められたとして、2~3時間は見ておいたほうが良いでしょう。
はまると、もっとかかります^^;
本記事ではLaravelを使うために必要なもの、初期設定をひとつずつ説明していきますね。なお、Windows環境での解説となります。
★Youtube動画もあるので、文字だけでは分かりにくければ、動画を見ながら進めてみてください。

★MACご利用の場合は、こちらの記事をご覧ください♪
★Laravel Sail(Dockerを使った開発環境)を構築したい場合は、下記シリーズ記事ご覧ください。ガッツリ解説してます。
初心者のためのLaravel入門:基本の環境構築
ざっと次のものが必要になります。
- XAMPP(MacならMamp)
- コマンドプロンプト(Macならターミナル)
- コンポーザー
- Laravel
- Node.js
ひとつずつ解説していきますね。
XAMPP(MacならMamp)のインストール
XAMPP(ザンプ)またはMamp(マンプ)は、PHPを使っている人ならインストール済みかと思います。
もしまだ入れていなければ、インストールしておいてください。
XAMPPのインストール・設定方法は別の記事で説明しているので、参考にしてくださいね。
なお2022年2月8日にLaravel9がリリースされました。Laravel9ではPHP8以上が必要になります。
XAMPPを切り替えて、PHP7とPHP8をひとつのPCで使う方法は下記にて解説しています。
コマンドプロンプト(Macならターミナル)を確認
これはデフォルトでついています。
スタートメニューのWindowsシステムツール/コマンドプロンプトを選択してください。
なおキーボードのWindowsマーク+【R】キーを押すと、左下に「ファイル名を指定して実行」と出てきます。
ここから【cmd】と入力しても起動します。
2回目以降は入力する手間が省けるので、手早く起動できます。
コンポーザーのインストール
次にコンポーザーをインストールします。
コンポーザーとはPHPのパッケージ管理システム。
インストール先はこちら。

印象的な画像ですよね。ちなみに、なぜ指揮者かといえば、英語でコンポーザー(composer)は作曲家、構成者の意味があるから。
ここで【Download】ボタンを押すと、次の画面になります。
【Composer-Setup.exe】をクリックしてファイルをダウンロードしてください。
ダウンロード後、exeファイルをダブルクリックしてインストールを進めていきます。
Laravel(ララベル)のインストール
ようやくLaravelのインストールです。
プロジェクトの新規作成、といったほうが正しいかもしれません。
ここまでの設定は最初だけ行えばOKですが、Laravelのプロジェクト作成は、新たにWebアプリを作成するたびに実施します。
最初にコマンドプロンプトを立ち上げてください。
Laravelをインストールしたいフォルダに移動します。
コマンドプロンプトを使ってディレクトリを移動する方法
ディレクトリを移動するには、次のようにコマンドを入力します。
- 今【laravel】フォルダにいて、ひとつ上の階層の【htdocs】フォルダに移動する場合
1 |
cd .. |
- 今【laravel】フォルダにいて、ひとつ下の階層の【blog】フォルダの中に移動する場合
1 |
cd blog |
うまくできなかったら、下記の cdコマンドの使い方についての記事を読んでください。
Laravelをインストールする
次のように入力します。
1 |
composer create-project --prefer-dist laravel/laravel bbs |
最後の「bbs」はプロジェクト名になるので、好きなように変更してください。
インストール後、しばらく待ちます。
インストールが完了すると、【set successfully】といった文字が出てきます。
インストールしたフォルダを開きましょう。
Visual Studio Codeなどのツールを使っている場合は、ファイル/フォルダーを開く から、フォルダを選択してください。
*プロジェクト作成時に
”Allowed memory size of 1610612736 bytes exhausted”
といったエラーが出た場合は、下記の記事に解決法を掲載しています。
*2022年2月8日に、Laravel9がリリースされました。Laravel9では、PHP8以上が必要となります。
もし環境を変更するのが難しい場合には、ひとつ古いバージョンであるLaravel8を入れる手もあります。下記記事を参考にしてください。
ただ、検証したところ、PHP8未満の環境でバージョン指定なくLaravelをインストールすると、自動でひとつ前のバージョンであるLaravel8が入りました。(2022年3月)
Laravelプロジェクトをブラウザに表示
Laravelのプロジェクトを表示させるには、いくつか方法があります。
php artisan serve とコマンドを入力すれば、Laravelサーバーが立ち上がります。
1 |
php artisan serve |
ブラウザのURLに【http://127.0.0.1:8000/】と入力すれば、Laravelの初期画面が表示されます。
XAMPPを使っている場合には、XAMPPを立ち上げた状態で【http://localhost/ laravel/bbs/public】と入力します。
データベースと接続
次にLaravelをデータベースと接続させておきましょう。
①データベースの作成
XAMPPのMySQL【Admin】を押し、MySQLを起動します。
新規作成ボタンを押します。
新しくデータベースを作成しておきます。
名前はなんでもよいのですが、ここでは「TEST」としておきますね。
②環境設定ファイルの編集
Laravelをインストールしたフォルダのなかの 【.env】ファイルを開きます。
12行目あたりの【DB_DATABASE】という項目に、作成したデータベースの名前をいれておきます。
※データベースのユーザー名を変えたりパスワードを変更した場合には、【DB_USERNAME】や【DB_PASSWORD】も設定しておきましょう。
③マイグレート実行
最後に、次のようにコマンドを打ちます。
1 |
php artisan migrate |
これでデータベースとの接続完了です。

データベースの中には、次のようなテーブルが作成されているはず。phpMyAdminにログインして確認してみてくださいね。
Node.jsのインストール
Laravelで開発を進める時には、Node.jsも必要になることが多いです。
公式サイトからインストールしておきましょう。
Windowsなら【Windows Installer】、Macなら【macOS Installer】を選びます。
ダブルクリックしてインストールを進めていきます。
インストールが終わった後は、コマンドプロンプトで次のように入力します。
1 |
node -v |
下記のようにバージョン情報が表示されれば、無事インストールされています。

私は途中でWindows PowerShellが表示されたり、よくわからない状況に。
とりあえず放置しているうちにインストールが終わりましたが、5分程度と、わりと長くかかりました。
初心者のためのLaravel入門:認証設定もしておこう
以上で基本の環境構築はおわり。
と言いたいところですが、もう少し頑張って、環境を設定していきましょう。
JavascriptやCSSを使うための設定を行っていきます。
認証機能なども入れておきましょう。
Laravelには、認証機能を搭載する方法がいくつかあります。気になったら、こちらの記事を読んでくださいね。
本記事では、Laravel Breezeを入れる方法と、Laravel/uiを入れる方法のふたつをご紹介します。
Laravel Breezeでは、cssはTailwindを使います。Laravel/ui では、Bootstrapが使えます。どちらかお好きなほうを選んでくださいね。

Bootstrapについて知識がおありでしたら、Laravel/uiをいれて、Bootstrapを使うのがおすすめ。
そうではないならBreezeをいれて、Tailwind CSSを使うほうが良いかと思います。
ひとことメモ
認証機能は、Laravel7ではbootstrapなどが推奨されていましたが、Laravel8ではjetstreamが推奨となりました。
ですがjetstreamは使いにくいとの声もあり、あとからBreezeが登場しました。
選択肢① Breezeで認証機能を作る
まずは、Breezeを使う方法を解説します。
コマンドプロンプトを立ち上げ、Laravelがインストールしてあるフォルダに移動します。
次のように入力します。
1 |
composer require laravel/breeze --dev |
次の画面になります。
続いて、下記を実行します。
1 |
php artisan breeze:install |
すると、3つの質問が順番に出てきます。
質問が終わると、インストールがしばらく続きます。最後に「Breeze scaffolding installed successfully. 」と出てきます。
エラーの時の対応① severity vulnerabilities
なお、”severity vulnerabilities”が理由で、エラーになることもあります。
その場合は、エラーを読んで、指示に従ってコマンドをいれてください。
たとえば下記では、”npm audit fix” を実行するように出ています。
こういった場合は、npm audit fixを実行した後、再度 インストールを実行してください。
エラーの時の対応② WARNINGS in child compilations
WARNINGS in child compilations とでることがあります。
このエラーの解決法は、こちらをご覧ください。
ブラウザで確認
下記のコマンドを実行します。Laravelのサーバーが立ち上がります。
1 |
php artisan serve |
ブラウザのURL欄に【http://127.0.0.1:8000/】を入力してください。
次のようなページが表示されていれば、インストール無事成功。
右上にLoginとRegisterというボタンができているので、どちらかをクリックしてみてください。
Tailwindで作られたフォームが表示されます。
選択肢② Laravel ui で認証機能を作る
次に、Breezeではなく、Laravel uiを使う方法を解説します。
コマンドプロンプトを立ち上げ、Laravelがインストールしてあるフォルダに移動します。
次のように入力します。
1 |
composer require laravel/ui |
【generated successfully】とでれば、インストール完了です。
次に、今組み込んだ ui 機能を使って、認証機能のひな形ファイルを作成してもらいます。
下記のように入力します。
1 |
php artisan ui bootstrap --auth |
最後の【–auth】とありますが、こうしておけば認証(ログイン/ユーザー登録)機能もついてきます。
なおbootstrap以外にも、vue、react もインストール可能です。
vue の場合は、下記を実行します。
1 |
php artisan ui vue |
Reactの場合は、下記を実行します。
1 |
php artisan ui react |
このあと、npm installと npm run dev コマンドを実行します。
これによって、必要なパッケージ管理機能が使えるようになります。
1 |
npm install |
1 |
npm run dev |
エラーの時の対応
なお、”severity vulnerabilities”が理由で、npm installがエラーになることもあります。
その場合は、エラーを読んで、指示に従ってコマンドをいれてください。
たとえば下記では、”npm audit fix” を実行するように出ています。
こういった場合は、npm audit fixを実行した後、再度 npm installを実行してください。
ブラウザで確認
下記のコマンドで、Laravelのサーバーが立ち上がります。
1 |
php artisan serve |
ブラウザのURL欄に【http://127.0.0.1:8000/】を入力してください。
次のようなページが表示されていれば、インストール無事成功。
右上にLoginとRegisterというボタンができているので、どちらかをクリックしてみてください。
Bootstrapを入れた場合、Bootstrapで作られたフォームが表示されます。
Laravel Viteを起動する
2022年6月29日以降、BreezeまたはJetstreamパッケージでLaravelの最新版を入れると、Laravel Viteが入ってきます。
Laravel Viteは、フロントエンド・ビルド・ツールです。Tailwinds CSSやVue.jsを使ったフロントエンドの変更を自動でブラウザに反映してくれます。
Laravel Viteを起動するには、コマンドプロンプト等を立ち上げ、npm run devコマンドを実行します。コマンドプロンプトはこのままの状態にしておきます。
Laravel Viteについては、下記動画でまとめています。「文字だけではイマイチ分からない!」と思ったら、動画も参考にしてくださいね。
Laravel Viteのエラー対策はこちらにまとめています。
ロゴが大きく表示されてしまったり、レイアウトが崩れたら、Laravel Vite関連のエラーである可能性が高いです。上記から該当する記事を探してみてください。
Laravelの初期設定を変更する
最後に、下記の3つだけ初期設定も行っておきましょう。
- タイムゾーン
- 言語
- 警告メッセージを日本語にする
タイムゾーンと言語の変更
Laravelをインストールしたフォルダの中の config/app.php ファイルを開きましょう。
70行目ぐらいに ‘timezone’ があるので、【Asia/Tokyo】と変更します。
1 |
'timezone' => 'Asia/Tokyo', |
83行目ぐらいに’locale’ があるので、【ja】と変更します。
1 |
'locale' => 'ja', |
画面でみると、次のようになります。

上記はVisual Studio Codeというエディタを使っています。
他の物でもよいのですが、何かエディタをインストールしておくと便利ですよ。
日本語にする
次にLaravelのユーザーインターフェースや警告メッセージ等を日本語にしていきます。
下記記事にまとめているので、参考にしてください。
補足:2つ目のプロジェクトを作るとき
なお2個目以降のプロジェクトを作る場合は、下記のインストールは不要です。
- XAMPP(MacならMamp)インストール
- コンポーザーインストール
- Node.jsインストール
まずLaravelのプロジェクト作成のコマンドを入力した後、データベースを作成+初期設定を行っていきましょう。
さいごに
Laravelインストール、おつかれさまでした!
いろいろと入れなきゃいけないので、大変ですよね^^;
なお、記事はLaravelのバージョンアップの度に追記したり、バージョンごとの情報を併記しているので、読みにくい部分もあったかもしれません。
もし「最新のLaravel9版の方法だけ知りたい」という場合には、学習サイト「Laravelの教科書」をおすすめします。
Laravelの基本の使い方を学びつつ、フォーラムサイトを作っていける学習内容です。
学習サイトでは、Laravel8・Bootstrap版 と Laravel9・Breeze版(Tailwind CSS利用)、ふたつのテキストをご用意しています。
それぞれ別々に書かれているので、読みやすいかなと思います。

現在、インストール等を解説した基礎編部分、無料でご覧いただけます♪ ご興味あれば、こちらのご案内ページご覧ください。
コメント